甘利明経済財政・再生相は25日、ニュージーランドのグローサー貿易相と都内で会談した。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で難航する同国産の乳製品の輸入関税に関する協議を加速させるため、近く事務レベル協議を再開する方針を確認。妥結に向け、米大統領に強力な通商協定の交渉権限を与える貿易促進権限(TPA)法案の早期成立が重要との認識で一致した。
世界最大の乳製品の輸出国であるニュージーランドは日本にバターなどの関税撤廃を強く主張。安い乳製品の流入で酪農家に与える打撃を最小限に抑えたい日本は低関税や無税の輸入枠割り当てで対応したい考えで、双方の溝は埋まっていない。会談終了後、甘利氏は記者団に「今まで主張がかけ離れていた」と述べ、25日の協議でも結論は出なかった。
会談では、甘利氏が「他の国より2国間協議が極めて遅れているとの認識に立つべきだ」と主張。グローサー氏は「交渉が相当な時間がかかるということではない。間合いは短い時間で詰めることができる」と応じた。