【ワシントン=吉野直也】オバマ米政権はキューバのテロ支援国家指定を近く解除する方針だ。1月から始まったキューバとの国交正常化交渉を前進させる狙い。指定解除と並行し、10日からパナマで開く米州首脳会議の機会をとらえ、オバマ大統領とキューバのカストロ国家評議会議長との首脳会談を調整する。
ローズ米大統領副補佐官は7日の電話記者会見で、テロ支援国家指定の解除について「結論の時期が近づいている。国務省の勧告を待っている状態だ」と述べ、解除作業が最終段階に入っていることを認めた。アーネスト米大統領報道官は7日の記者会見で「9日まで最終決定はないだろう」と語った。
米、キューバ両国は1961年に国交を断絶。米政府は82年にキューバをテロ支援国家に指定した。テロ支援国家はテロ組織へ資金援助や装備品提供などをしているとみなされている国で、指定国家には経済制裁などを科している。
米、キューバ両国は1月以降、3回にわたり国交正常化に向けた高官協議を開催した。米側は米州首脳会議までの大使館再開を要求。一方のキューバはまずテロ支援国家指定を解除するよう主張している。
米CNNテレビは米国務省当局者の話として8日にも同省が指定解除をオバマ氏に勧告する見通しだと報道していた。