【シカゴ=野毛洋子】オバマ大統領のお膝元シカゴで7日、大統領の元側近で首席補佐官だったラーム・エマニュエル現市長の2期目を問う市長選の決選投開票があった。市長の決選投票はシカゴ史上初。投票は現地時間午後7時(日本時間8日午前9時)に終わり、即日開票した。
エマニュエル氏は2月の市長選挙で過半数を獲得できず苦戦し、決選投票に追い込まれた。公立校の大量閉鎖や企業誘致、都市開発に力を入れたため「(富裕層のための)1%市長」との批判を浴び、支持者が離れた。
一方、対抗馬はメキシコ系アメリカ人でクック郡委員のヘイスース・ガルシア氏。メキシコ系アメリカ人として初めてイリノイ州議員を務めた経歴を持つ。口ひげと温厚な語り口をトレードマークに「市民の声を聞く」と訴えた。教職員組合やリベラル派の支持を集めている。
選挙の焦点はシカゴ市の財政問題。同市は約200億ドル(約2兆4000億円)といわれる年金をはじめ巨額な負債を抱えている。財政破綻したデトロイト市の例もあり「市民は財政問題を解決できる市長を選ぶ」(ルーズベルト大学のポール・グリーン教授)との見方が出ている。