【ワシントン=吉野直也】オバマ米大統領は14日、キューバのテロ支援国家指定解除に関する国務省の勧告を承認し、米議会に通告した。通告してから原則、45日後に発効する。1982年の指定以来、33年ぶりの解除となる。両国の国交正常化へ大きな弾みとなる。
オバマ氏は11日にパナマ市でキューバのカストロ国家評議会議長と初会談した際、キューバのテロ支援国家指定解除を巡る最終決断を「数日中」にすると伝えていた。オバマ氏は昨年12月、61年に断絶したキューバとの国交正常化交渉を発表。今年1月から高官協議を3回開いた。
キューバはテロ支援国家指定解除を優先するよう要求。米側は大使館設置を求め、膠着していた。59年ぶりの首脳会談に続き、キューバが主張していたテロ支援国家指定解除の具体的な手続きが始まったことで、国交正常化交渉が前進するのは確実だ。
テロ支援国家指定が解除されると、対キューバ金融制裁の一部が解除されるほか、これまで遮断されていた同国資産へのアクセスが可能となる。国際機関による経済援助や、武器関連の輸出も認められる見通しだ。
テロ支援国家は国際テロ活動を支援している国家への措置。指定されると経済制裁が科される。キューバは82年、スペイン北部の非合法組織や左翼ゲリラなどに協力したとして指定された。