火山活動が続く箱根山(神奈川県箱根町)の大涌谷で立ち入りが規制されている区域に14日午前、町から特別に許可を受けた温泉供給業者ら十数人が入り、温泉設備などの保守点検をした。立ち入り禁止区域での作業は8日以来、6日ぶり。
旅館など約400軒に湯を送る「箱根温泉供給」の社員らは14日午前9時から、ヘルメットや防護服を着用し、盾などを持って規制区域内に入った。保守点検作業は約2時間で、蒸気が強く出ている場所から半径200メートル以内にある井戸やパイプは点検できなかったという。
井戸やパイプに硫黄などが付着すれば詰まってしまう可能性があるが、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられ、大涌谷周辺の半径300メートルが立ち入り禁止になり、メンテナンスができなくなった。町は、蒸気が強く出ている場所から半径200メートル以内の立ち入り禁止や安全装備などを条件に1日1回の立ち入りを認めた。
一方、箱根山は14日も火山性地震が観測された。気象庁は小規模な水蒸気噴火の恐れが続いているとして警戒を呼びかけている。
同庁によると、14日は午前8時までに16回の火山性地震を観測した。13日は1日で16回だった。火山性地震は火山活動が活発になった4月26日以降、回数が上下している。