【NQNニューヨーク=横内理恵】20日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4日続落した。前日比65銭の円安・ドル高の1ドル=121円30~40銭で取引を終えた。米景気が回復の勢いを増すとの期待から、東京市場などで円売り・ドル買いが進んだ流れを引き継いだ。
午後には一時121円49銭と3月17日以来ほぼ2カ月ぶりの安値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が公表した米連邦公開市場委員会(FOMC、4月28~29日開催分)の議事要旨では、参加者が1~3月期に伸びが減速した経済や雇用が今後は改善するとみていることが明らかになった。市場ではFRBが米景気に楽観的な見方を維持していると受け止められ、円やユーロに対してドルを買う動きが加速した。
もっとも、円売り・ドル買いが一巡すると円相場には買い戻しも入った。FOMC議事要旨では、多くの参加者が6月の利上げの可能性を低くみていたほか、複数の参加者がドル高や原油安の景気押し下げ圧力が長引く可能性を指摘していた。この日は米長期金利が低下していたこともあって、次第に日米の金利差縮小を意識した円買いが増えた。
円の高値は120円73銭だった。
円は対ユーロで横ばい。前日と同じ1ユーロ=134円50~60銭で取引を終えた。円とユーロがともにドルに対して売られたため、円の対ユーロ相場は方向感に欠いた。
ユーロは対ドルで3日続落し、前日比0.0055ドル安い1ユーロ=1.1090~1.1100ドルで終えた。前日には欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事が量的金融緩和の一環として実施している国債購入を前倒しする可能性に言及。目先は欧州主要国の金利が低位で安定するとの見方からユーロ売り・ドル買いが続いた。
ユーロの安値は1.1070ドル、高値は1.1145ドルだった。