【ニューヨーク=杉本貴司】米下院エネルギー・商業委員会が2日、タカタ製エアバッグ問題に関する公聴会を開いた。タカタは5月に米国内で過去最大となる3400万台規模のリコール(回収・無償修理)を実施することで合意している。出席したタカタ北米子会社のケビン・ケネディ上級副社長はリコール完了の時期については明言を避けた。
タカタ北米子会社のケビン・ケネディ上級副社長(2日、ワシントン)=ロイター
ケネディ氏はリコールは事故が起きやすい高温多湿な南部地域から行うべきだとする、従来の主張を繰り返した。リコールを完了するメドについては「米国の路上を走る車の修理するため、あらゆることをする」と述べるにとどめた。
一方で、昨年末時点で月35万個だった交換部品の生産規模を、9月までに100万個に引き上げるほか、競合他社による代替生産の比率も高まるとし、対応を急ぐ方針を示した。
タカタ問題を巡る公聴会は昨年11月の上院、12月の下院に続き3度目。昨年は下院公聴会でタカタの対応を非難する声が相次いだが、今回はリコールや原因究明作業の進捗など、実務的な質問が大半を占めた。タカタが全米リコールに応じる姿勢を示したことから米議会での批判が一巡した印象を残した。