京セラの稲盛和夫名誉会長は鹿児島県と鹿児島市に10億円ずつを6月末に寄付すると発表した。留学生・研究者らを受け入れる宿泊機能を備えた「国際交流センター(仮称)」を鹿児島市内に整備するため、県や市などでつくる協議会が建設資金として活用する。4~5年後の完成を目指す。
2日の記者会見で稲盛氏は「鹿児島の若い人が盛んに国際交流され、世界に雄飛するきっかけになってほしい」と語った。伊藤祐一郎知事は「次の鹿児島づくりに役立つ施設になるよう努力したい」、森博幸市長は「県と手を携えて寄付金を活用したい」と述べた。
県は2013年に中国・清華大と包括協定(MOU)を結んでおり、学生同士の交流も始まった。市は14年設立の鹿児島市国際交流財団を通じた市民主体の国際交流などを進めている。
稲盛氏は京都府立大、京都府立医大、京都工芸繊維大の学生が共同で利用する教育棟「稲盛記念会館」の事業費のうち20億円を寄付。母校の鹿児島大にも同氏の寄付金などをもとに建てた「稲盛アカデミー棟」がある。