神戸市の連続児童殺傷事件の加害男性による手記「絶歌」(太田出版)について、筆者の男性は当初、幻冬舎に出版を持ちかけていたことが20日、出版関係者への取材で分かった。幻冬舎は世間の反応などを考慮して刊行を断念。同社に紹介された太田出版が今月11日、手記を刊行した。
出版関係者によると、2012年冬、幻冬舎幹部宛てに男性から手記の出版を希望する手紙が届いた。この幹部は13年初めに男性に面会し、編集作業がスタートした。
しかし、大きな批判が予想されること、男性が今年に入って一時出版を取りやめる意向を示したことなどから、同社は刊行を断念した。その後、男性が一転して出版を希望したため、幻冬舎幹部が3月、太田出版を紹介したという。
太田出版は「経緯の詳細は申し上げられない」としている。〔共同〕