原燃輸送は27日、低レベル放射性廃棄物を海上輸送する際に使う金属製容器のふたを固定するボルト計5本が折れているのが見つかったと発表した。同社は輸送中に破損したケースはないと説明し「環境への影響はなかった」としている。
国土交通省は27日、同社に対し、安全が確認されるまで同型の金属製容器を使った輸送をしないよう命じた。同社は全国の原発から年間でドラム缶約1万本を輸送。国交省は「年間の輸送回数は10回程度」としている。
低レベル放射性廃棄物は原発で使用した作業着や機器などをセメントなどで固めたもの。ドラム缶の中に密閉して容器に詰め、運搬船で青森県六ケ所村の保管施設まで運んでいる。
同社は2月、六ケ所村の保管施設で空容器を点検中、1個の容器に付いているボルト4本のうち1本が折れているのを確認した。ただ、同社は「特異な事例」と判断して4カ月以上、同省に報告していなかったという。
今月22日に関西電力美浜原発(福井県美浜町)で輸送の準備中に1本の破損を見つけ、同25日には六ケ所村の保管施設でも1本の破損を発見した。他の容器を点検したところ、新たに2本の破損が見つかった。〔共同〕