【NQNニューヨーク=古江敦子】17日のニューヨーク商品取引所(COMEX)で、金先物相場が7日続落した。取引の中心である8月物は前日比12.0ドル安の1トロイオンス1131.9ドルで終えた。一時は1129.6ドルまで下げ、中心限月として2010年4月19日以来ほぼ5年3カ月ぶりの安値を付けた。米経済指標の改善を受け、米連邦準備理事会(FRB)は利上げに動きやすくなるとの見方が強まった。金市場への資金流入が細るとの警戒感から先物への売りが加速した。
朝方発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は5カ月続けて前月から上昇したほか、6月の米住宅着工件数は市場予想を上回って増えた。米景気の先行きへの期待が高まり、金先物には年内の利上げを意識した売りが膨らんだ。心理的な節目を下回ると、損失限定を目的とした売りを巻き込み、先物は急速に下げ幅を広げた。
外国為替市場でドルがユーロに対して上昇したことも、ドルの代替投資先とされる金の売りにつながった。
銀は5日続落し、プラチナは4日続落した。
原油先物相場は小幅に3日続落した。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近である8月物は前日比0.02ドル安の1バレル50.89ドルで終えた。一時は50.14ドルと、期近物としては4月10日以来ほぼ3カ月ぶりの安値を付けた。対ユーロでのドル高を背景に、ドル建てで取引される原油の先物には割高感を意識した売りが優勢となった。
一方、ガソリン先物相場が続伸し、原油先物にも連動した買いが入った。夏場のドライブシーズンに入り、目先はガソリン需要が高まるとの見方が多い。原油から精製されるガソリンの消費が増えれば、原油在庫の縮小につながるとの観測が先物の買いを誘った。
ヒーティングオイルは3日続落した。