アイラ・シャピロ元米通商代表部(USTR)大使は30日午後、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を受け日本経済新聞社が開いた緊急シンポジウムで講演した。シャピロ氏はこのところ米議会が「機能不全に陥っているように見える」と不安定な政局を懸念しつつ、協定の批准に向けて「米議会は2016年にTPPを承認すると絶対的確信を持っている」と述べた。その上で「日本やオーストラリアなどのパートナーを見捨てることはなく、再交渉を求めることもない」と語った。
理由として、TPPがオバマ大統領の重要なレガシー(遺産)であることや「TPPによってこそ中国の国家資本主義に対抗できる」などと述べ、「我が国がTPPを拒否すれば、中国を喜ばせることになるが、そんなことは起こらない」と強調した。中国が数年内にTPP加盟を決める可能性があるとも指摘した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕