【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)=芦塚智子】米共和党は10日、ウィスコンシン州ミルウォーキーで大統領候補による第4回テレビ討論会を開いた。支持率の低迷に苦しむジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)にとっては巻き返しへの正念場となる。討論会の参加者は支持率に基づき前回の10人から8人に絞られ、経済政策を中心に論戦を繰り広げた。
ブッシュ氏は、指名争いをリードする不動産王、ドナルド・トランプ氏(69)の移民政策について、米国内に約1100万人と推計される不法移民を全て強制送還するのは「不可能で、米国の価値観にそぐわない」と攻撃。「現実的な政策が必要だ」とトランプ氏の姿勢を非難した。
トランプ氏は、同氏の移民政策を批判したジョン・ケーシック・オハイオ州知事(63)に対して「この男の話を聞く必要はない」と述べ、聴衆からブーイングを浴びる場面もあった。
トランプ氏と首位を争う元神経外科医のベン・カーソン氏(64)は、米メディアが報じた生い立ちや経歴を巡る疑惑について「嘘を言われるのは容認できない」と反論した。
ブッシュ氏は当初、最有力候補とみられていたが、トランプ氏が急上昇する中で支持率が1桁に下落。陣営の立て直しを迫られている。