和歌山県の仁坂吉伸知事は17日の記者会見で、今年度末で期限を迎える和歌山電鉄貴志川線の財政支援について、県と和歌山・紀の川両市で12億4790万円を上限に、2025年度まで10年間継続すると発表した。それぞれの議会で承認後に新たな協定を結ぶ。
貴志川線は、06年3月末に南海電気鉄道から両備グループ(岡山市)の子会社、和歌山電鉄に引き継がれて営業を継続してきた。その間、県と2市が基本合意書を結び、鉄道用地取得や運営費補助など10年間で12億9000万円を上限とする支援を行ってきた。
ネコの駅長「たま」やユニークな車両が人気を呼び、南海が経営した最終年度である05年度の192万人から14年度は228万人と利用客数は伸びたが、鉄道事業はなお年間6400万円の赤字という。
県によると支援はレールや枕木、踏切設備など、国の補助制度が活用できる設備の更新や修繕を対象とする。