東芝の室町正志社長は27日夕、原子力事業子会社の米ウエスチングハウス(WH)の情報開示が遅れたことについて記者会見を開いた。過去の決算で計上した減損損失で東証の適時開示基準を守っていなかったことについて「当社として東証の指摘を真摯に受け止め、適時適切なタイミングで情報開示をすべきだった。開示が不十分だったことをおわび申し上げる」と陳謝した。
室町社長は「従来の情報開示方針を改め、信頼いただけるよう、私自身が先頭に立ち、積極的な開示をしていく」と語った。今後は定期的にWHなど各事業の説明会を開く考えを示した。
元役員の責任を追及してきた監査委員会の議論の経緯を公表する記者会見を年内に開く方針も示した。
東芝は17日、WHの2012~13年度の損失額は合計で13億ドル(発生当時の為替レートで換算すると約1156億円)にのぼったと発表していた。12日に報じられるまで損失額を公表しておらず、情報開示の姿勢に批判が集まっていた。報道から2週間たって詳細を発表し、記者会見を開いた。