【シドニー=高橋香織】オーストラリア政府は16日、ターンブル首相が18日に訪日すると発表した。9月中旬の就任以来、北東アジアへの外遊は初めて。日本だけを日帰りで訪れ、中国は来年に訪問する予定。ターンブル氏は安倍晋三首相と会談し、豪軍と自衛隊の共同訓練を円滑化する協定で実質合意する見通し。日本の調査捕鯨再開には懸念を表明する。
就任3カ月の早期に訪日するのは、日豪関係の一貫性を確認するのが狙いだ。ターンブル氏は党内政変でアボット前首相と交代した。2014年7月に安倍首相が豪州を訪れた際、首脳の相互訪問を毎年行うことで合意し、今年は豪側が訪問する番だった。
日豪は米国の同盟国同士で、相手国で実施する演習などの機会が増えている。隊員らの法的地位に関する協定を結び、安保・防衛協力を深化させる。ターンブル氏は大学学長らを同行し、技術革新の分野で日本の産業界や学界との連携を強化することを目指す。
ターンブル氏は07年の環境相時代から反捕鯨の立場を鮮明にしている。日本が調査捕鯨再開を決めた直後の訪日は国内で反発を招きかねず、首脳会談で懸念を伝えるとみられる。
ターンブル氏は就任後、ニュージーランドとインドネシアを訪問した。安倍首相とは11月に20カ国・地域(G20)首脳会合が開かれたトルコで短く会談している。