8日午前の東京外国為替市場で円相場は3日ぶりに反落した。12時時点では1ドル=118円20~23銭と前日17時時点に比べ19銭の円安・ドル高だった。中国人民銀行(中央銀行)が8日発表した対ドルの人民元基準値が9営業日ぶりに元高方向に設定され、投資家のリスク回避姿勢がやや後退した。円を買い持ちにしていた投資家が持ち高解消の円売り・ドル買いを進め、円は10時30分すぎに118円59銭近辺まで下落した。中国・上海株式相場の上昇を受け、朝方は安かった日経平均株価が上げに転じたことも「低リスク通貨」とされる円の売りを促した。
朝方は堅調に推移した。前日のニューヨーク市場で中国経済の減速懸念を背景に米株式相場が大幅安となり、リスク回避の円買い・ドル売りが入った流れを引き継いだ。10時前の中値決済にかけては、3連休を前に国内輸入企業の円売り・ドル買いが優勢になり、円は伸び悩んだ。
9~12時の円の高値は117円40銭近辺で、値幅は1円19銭程度だった。
円は対ユーロで大幅に反落した。12時時点では1ユーロ=128円67~71銭と同1円42銭の円安・ユーロ高だった。対ドルのユーロ高と対ドルの円安を受けて、円安・ユーロ高が進んだ。
ユーロは対ドルで大幅に続伸した。12時時点では1ユーロ=1.0884~87ドルと同0.0101ドルのユーロ高・ドル安だった。前日の海外市場で持ち高調整のユーロ買い・ドル売りが優勢だった流れを引き継いだ。中国人民銀による人民元基準値の発表後に株高が進むと、低金利通貨のユーロには売りが出て伸び悩んだ。〔日経QUICKニュース(NQN)〕