【NQNニューヨーク=内山佑輔】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落した。終値は前日比167ドル65セント(1.0%)安の1万6346ドル45セントと、2015年10月1日以来およそ3カ月ぶりの安値を付けた。好調な米雇用統計を受けて買いが先行。ただ、中国への不安が拭えないなかで持ち高調整を目的とした売りが次第に増え、ダウ平均はこの日の安値圏で終えた。
朝方は米株式の買いが優勢だった。米労働省が発表した15年12月の米雇用統計では、雇用動向を素早く映す非農業部門の雇用者数が前月比29万2000人増と市場予想(20万人程度の増加)を大幅に上回った。労働市場の改善が続いているとの見方から幅広い銘柄に買いが膨らみ、ダウ平均は一時137ドル上昇した。
買い一巡後は一転して売りの勢いが増した。8日の中国の株式相場は反発したが先行き懸念は依然として根強く、投資家心理に影を落としている。主要な欧州株式相場が大幅安となったことも米株式の売りを誘い、ダウ平均の下げ幅は200ドルに迫る場面があった。
ダウ平均の週間の下げ幅は1078ドルに達した。週間ではリーマン・ショック直後で株価が急落していた08年10月上旬(1874ドル安)以来ほぼ7年3カ月ぶりの大きさとなった。
ハイテク株の比率が高いナスダック/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE2EAE2E2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX総合株価指数は7日続落。前日比45.795ポイント(1.0%)安の4643.631で終え、15年10月1日以来およそ3カ月ぶりの安値を付けた。
業種別S&P500種株価指数は10業種すべてが下落した。「金融」や「ヘルスケア」「エネルギー」などの下げが大きかった。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約22億株(同)だった。
ニューヨーク原油先物相場が下げが続き、エクソンモービルやシェブロンといった石油大手株が売られた。ネットワーク機器のシスコシステムズや小売大手のウォルマート・ストアーズも安い。
セキュリティサービスのバラクーダ・ネットワークスは大幅安となった。15年9~11月期の最終赤字幅が前年同期から拡大したことが嫌気された。昨年12月の既存店売上高が前年同月比で減少したカジュアル衣料品大手のギャップも急落した。
一方で、ダウ平均を構成する30銘柄ではアップルやマイクロソフトが逆行高となった。