関西電力は25日、高浜原子力発電所3号機(福井県)を29日にも再稼働させる計画を原子力規制委員会に報告した。最終的な安全確認を済ませたうえで、原子炉を起動する。2013年に規制委が原発に厳しい安全対策を課す新規制基準を導入して以降、再稼働するのは九州電力の川内原発1、2号機(鹿児島県)に続き3基目となる。
高浜原発3、4号機は15年2月に規制委の安全審査に合格し、再稼働の準備を進めてきた。同年4月に福井地裁が運転を差し止める仮処分を決定したが、12月に関電の異議を認める形で決定を取り消し、再稼働が可能な状況になっていた。
今年4月以降、電力の小売りは全面自由化される。関電は運転コストの安い原発の再稼働を機に電気料金を引き下げ、競争力を高める考えだ。高浜原発4号機も1月31日以降、原子炉への核燃料の搬入を始める計画で、再稼働の準備を急ぐ。
高浜原発3号機では、使用済み核燃料を再利用してつくるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用する「プルサーマル発電」を実施する。新規制基準の導入後、プルサーマル発電の実施は初となる。