小雨が降る中、土砂崩れがあった「ログ山荘火の鳥」で行方不明者を捜索する自衛隊員ら=18日午前8時31分、熊本県南阿蘇村長野、長島一浩撮影
16日未明の地震による土砂災害が集中した熊本県南阿蘇村では18日朝、小雨が降る中、自衛隊や警察、消防による捜索が再開された。大量の土砂に阻まれ、捜索は難航している。
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村によると、捜索は計約2500人態勢。同村河陽の高野台地区では、前日まで道路が土砂で寸断されて重機が投入できなかったが、道路が復旧して18日朝から重機3台を投入した。自衛隊員らが土砂を取り除く作業を始めた。
なだらかな丘陵地に住宅が点在する同地区では、山の斜面が幅200メートルほどの広範囲にわたって崩れ、4戸は完全に埋まり、残りの2戸も土砂に押し流された。
自衛隊員の一人は「土砂に流されていて、家がどこにあったかも、どこに人がいるのかもわからない。被害は広範囲で捜索の難しさもあるが、可能性があるところは掘り進め、一刻も早く見つけたい」と話した。
安否不明になっている70代の夫婦の自宅近くに住む女性(33)は「仲良さそうに散歩している姿をよく見た。2人とも花が好きで、家の前にいつもきれいに飾っていた。早く見つかってほしいです」と語った。
宿泊客2人と連絡が取れない同村長野地区の「ログ山荘火の鳥」でも午前7時ごろ、捜索が再開された。裏山が崩れ、宿泊施設が土砂に埋まった。重機で土砂を取り除き、建材の多くが掘り起こされてきたが、午前10時半現在で2人はまだ見つかっていない。