閉会式で、来年開催される日本の国際会議について話す中村重信さんら=24日、ブダペスト
■認知症の国際会議・取材日記@ブダペスト
介護とわたしたち
「次は京都で会いましょう」。4日間の日程で開かれた国際会議の閉会式は、来年の開催地・日本に向けた、マーク・ウォートマン事務局長のあいさつで締めくくられました。主催者によると、参加者は約850人だったそうです。
最終日に開かれた分科会で、心を動かされたのはフィンランドの人の発表でした。「記憶を音楽に」というプロジェクトで、認知症の人たちが集う機会を設け、歌を作り、ネット上に配信しているそうです。
発表を聞いた限りでは、①集まった人たちでグループを作る②テーマを選ぶ③昔の思い出を語り合う④歌詞を考える⑤歌を練習する⑥ミュージックビデオを作ってネットに配信する、という流れのようです。
発表者の女性は「今からお聴かせする曲の歌い手のなかには、すでに亡くなった人もいます」と前置きをして、上映しました。曲のタイトルは「Do you remember?(あなたは覚えている?)」(
https://www.youtube.com/watch?v=n8y2gKBbv6w
映し出された白黒の写真は、水辺に立つ親子や農作業の様子など。いずれも参加者が思い出のアルバムから持ち寄ったものだと、説明していました。優しいメロディーと声のそろったハーモニーが会場を包むと、目頭をおさえて聴き入る人たちもいました。
この会議期間中に翻訳を手伝っていただいた倉金佳(くらがねけい)さん(36)は「どこか懐かしくて、味わい深い旋律。フィンランドといえば、作曲家のシベリウスで有名ですが、歌作りの背景を聞いて驚きました」と話していました。