神戸市中央区のJR三ノ宮駅前で乗用車が暴走し、歩行者5人が重軽傷を負った事故で、現場に車のブレーキ痕が残っていなかったことが兵庫県警への取材でわかった。速度を緩めずに歩道上の歩行者に突っ込んでおり、県警は運転していた沢井国一容疑者(63)=自動車運転死傷処罰法違反容疑で現行犯逮捕=の体調などに異変があり、正常な運転ができなくなった可能性があるとみて調べている。
速度落ちず歩道へ、宙に浮く人 車載カメラとらえた暴走
事故は3日午前11時5分ごろ、三ノ宮駅北側にあるロータリーの出口付近で発生。付近にいたタクシーの車載カメラ(ドライブレコーダー)の映像などによると、乗用車はスピードを緩めず、カーブから外れるように歩道に乗り上げ、歩行者5人をはねた。
沢井容疑者は「神戸市内の病院に入院中の母親を見舞いに行った帰りだった」と供述。事故当時の状況については「よく覚えていない」と話しているという。