平均台の演技をする寺本明日香=長島一浩撮影
(4日、体操NHK杯)
寺本明日香にとって、この大会は五輪代表候補に選ばれるだけが目標ではなかった。「守った演技だと、世界で上を目指せない」。だから、最後まで攻めた。
寺本明日香、女子総合V リオ候補に3人 体操NHK杯
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3種目めの平均台。寺本はこの大会のために、最後の下り技で、ひねりを半分増やした「後方伸身宙返り3回ひねり」を用意していた。2014年の世界選手権種目別決勝で4位入賞を果たした時に使っていた大技。だが、しばらく封印していたため、練習では完成度が低かった。
一騎打ちの相手だった村上が先に落下した。点差が開いたため、安全策をとって難度を落とすことも可能だった。でも、「3回ひねりは(国内では)私の代名詞だし、原点なので」。見事に成功させ、優勝をほぼ手中にした。