男子フィギュアで優勝した宇野昌磨=北村玲奈撮影
26日にあった札幌冬季アジア大会のフィギュアスケート男子フリーで、19歳の宇野昌磨(中京大)はあるテーマを持ってフリーに臨んだ。「連続ジャンプを全部トライしよう」。前週の四大陸選手権(韓国)では、3回まで跳べる連続ジャンプを1回しか跳べなかった。だから、失敗しても攻めの姿勢を貫いた。
フィギュア特集 Kiss and Cry
この日は、三つ目の連続ジャンプでミスが出た。トリプルアクセル(3回転半)に1回転ループ―3回転フリップの連続ジャンプをつけるはずが、単独の3回転半になった。残るジャンプは直後の3回転サルコーだけ。ぶっつけ本番で3回転サルコーに1回転―3回転の連続ジャンプをつけたものの、最後に転んだ。「練習でしていないことをやるのは難しかった」と、さすがに苦笑いした。
四大陸から連戦となり、疲れや調整不足は否めない。四大陸では決めた4回転ループもこの日は転倒し、最高4のレベルが3になったステップやスピンもあった。それでも、高難度の構成を落とさず、逆転優勝につなげた。「あまりいい演技じゃなかったけど、最後まで攻めてまとめられた」
すでに3~4月の世界選手権(ヘルシンキ)に目を向けている。フリップ、トーループ、ループの4回転ジャンプに加えて、4種類目の4回転サルコーにも意欲的だ。「跳べるジャンプに挑戦しないのは、どんな状況でもない。できるものの完成形を見せたい」(野田枝里子)