政府は13日、東京電力福島第一原発事故で福島県南相馬市南部などに出されている避難指示の大部分を7月1日を目標に解除したいと同市議会に示した。対象は今月1日時点で3516世帯の1万967人で、これまで避難指示を解除した3市町村を超え、過去最多になる。
市議会全員協議会で、国の原子力災害現地対策本部の後藤収副本部長らが「健康被害の心配がない水準まで放射線量が下がり、生活できる条件が整った」などと説明。放射線量が高い帰還困難区域を除き、解除する方針を示した。
桜井勝延市長は15日から始まる住民説明会で意見を聞いた上で、国と最終的な協議をする。今月中にも解除する日が正式に決まる見通し。対象地域では現在、帰還に向けて市に届け出た上で自宅で寝泊まりする準備宿泊をしており、登録している住民は約1900人いる。
これまで、同県田村市都路地区、川内村東部、楢葉町で避難指示が解除されている。