「淵に立つ」の公式上映を終えた(左から)古舘寛治さん、深田晃司監督、筒井真理子さん、浅野忠信さん=14日、カンヌ、石飛徳樹撮影
第69回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で14日夜(日本時間15日未明)、日本から参加した深田晃司監督の「淵(ふち)に立つ」の公式上映があった。深田監督のほか、出演の浅野忠信さん、筒井真理子さん、古舘寛治さんらが出席。上映後、満員のドビュッシー劇場は大きな拍手に包まれ、浅野さんが万歳して応える場面もあった。「ある視点」は革新的な作品を集めた部門。
「淵に立つ」は深田監督のオリジナルストーリー。下町で小さな町工場を営む一家のもとに、夫と旧知だという男性が現れ、どこにでもありそうな一家の絆に亀裂が入り始める。主人公の夫婦を古舘さんと筒井さんが、謎めいた男性を浅野さんが演じている。
上映後に記者団の取材に答えた深田監督は「子供の頃からの憧れの地。最高の舞台を与えられたと思います。しかし、僕の好きな監督でカンヌをゴールにした人はいない。ここをスタートに出来れば」と力強く話した。