■スコアの余白
孤高の存在同士、響き合うのだろうか。広島の黒田は、一つ年上のイチローを尊敬してやまない。「チームメートとして、勉強することがたくさんあった。もう一度奮い立たせてもらった存在」と言う。
スコアの余白
大リーグの名門ヤンキース時代の同僚で、食事にいく仲だった。普段交友関係をあまり明かさない黒田が、節目で連絡を取り合う相手として名前を挙げる数少ない一人である。イチローが15日に日米通算安打で大リーグ記録を抜いた試合もテレビの前で見守り、祝福のメールを送った。
日米通算については「賛否両論ある」と冷静に語る。それでも「ヒット数世界一はすごい。次元が違う」と賛辞を惜しまない。
イチローの背中を目で追ってきた。「先発であろうが、ベンチスタートであろうが、常に変わらず準備して、自分の出番に備える。その部分がすごい」。広島で調整を一任されている黒田も、ルーティンを大事にしている。ただ、最近は41歳の体が言うことを聞いてくれない。首のしびれは慢性化し、右肩も痛む。キャッチボールでの感触で不安を覚え、登板3日前のブルペン入りを避けたこともあった。「今自分がこの年で野球をやってみて、イチローさんは改めてすごい」
黒田も現在、日米通算の偉業に挑んでいる。野茂英雄以来2人目の200勝まで、あと2勝。注釈が付いても、偉大な記録は色あせない。次は黒田だ。