楽天の梨田監督
(25日、プロ野球 楽天6―4ソフトバンク)
最新の試合結果はこちら
楽天の梨田監督は三塁側のベンチでウィニングボールを受け取ると、満面の笑みを浮かべた。通算800勝に「12年も監督をやらせてもらってね。ありがたいことです」としみじみ言った。
不活発だった打線が、この日は一回にいきなりたたみかけた。1死からの2連打で一、二塁とすると、4番のペゲーロが真ん中高めの直球を左中間へ。2点二塁打で先制し、続く新外国人も右前への来日初安打で追加点を稼ぎ出す。中盤に詰め寄られ雲行きが怪しくなったが、七回に代打で起用した藤田が今季1号ソロ。策が見事にはまった。
開幕前の段階で節目まではわずか16勝。ところが、投打の不調にけが人も重なって大きくつまずいた。今も不調から抜けだし切れず、カード勝ち越しもままならない。この日も、先発で結果が出なかった右腕の池田を、不安定な中継ぎの補強役として七回に起用。綱渡りのやりくりが続く。
「早く負け越しを1桁にしたい。今日は、そのきっかけになるようなゲームだったんじゃないかな」と梨田監督。2000年4月6日、近鉄を率いて当時のダイエーから奪った一つ目の白星から18年余り。近鉄、そして日本ハムをリーグ制覇に導く一方、763敗と31分けも積み重ねた。酸いも甘いも経験してきた64歳。ここからの巻き返しは、名将の手腕にかかっている。(松沢憲司)