ダッカで3日、事件が起きた現場のレストランの前を通るバングラデシュの警察官=AP
バングラデシュの首都ダッカで1日夜に武装集団がレストランを襲撃して客らを人質に立てこもった事件で、菅義偉官房長官は2日夜、日本人7人が死亡したと発表した。日本人1人は救出された。犠牲者は警官2人を合わせて22人に達した。バングラデシュ当局の捜査や地元報道によると、外国人を標的にしたテロとの見方が強まっている。
特集:ダッカ事件
亡くなった人質の20人は、日本人7人のほか、イタリア人9人、バングラデシュ系米国人1人、インド人1人、バングラデシュ人2人。武装グループは、店内にいた客・従業員をバングラデシュ人と外国人、あるいはイスラム教徒とそれ以外の人たちとに分けようとし、聖典コーランの一節を暗唱できなかった人などを殺害したという。
2日朝の治安部隊の突入作戦で実行犯の6人が殺害され、1人が逮捕された。救出された13人のうち1人は日本人の渡辺玉興(たまおき)さんで、そのほかは主に店員のバングラデシュ人だった。
犯行後、過激派組織「イスラム国」(IS)バングラデシュを名乗る組織が2日夜、インターネット上に犯行声明を出し、「5人の戦士が周到な準備と調査を経て、十字軍諸国の国民を襲撃した」とした。
バングラデシュ警察当局は、実行犯はISではなく、7人のうち少なくとも5人は同国の過激派組織「ジャマトゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ(JMB)」などのメンバーで20歳代。捜査・監視対象の名簿に載っていたとしている。
カーン内相は、「いずれも高学歴の裕福な家庭出身。神学校で学んだ者はいなかった」と語った。(ダッカ=大野良祐、カイロ=翁長忠雄)