原爆死没者名簿を書き続ける元広島市職員の池亀和子さん=6日午前6時24分、広島市中区、橋本弦撮影
原爆の惨禍から71年となった6日、広島は鎮魂と平和への祈りに包まれた。オバマ米大統領の訪問から2カ月余り。被爆地に刻まれたその一歩を被爆者、そして若い世代はそれぞれに受け止め、歩き始めた。ヒロシマの心を新たに、「核なき世界」へ向かって。
広島市長「絶対悪を消し去る道筋を」 原爆投下71年
特集:核といのちを考える
特集:核なき世界 模索の8年
午前8時、薄い雲がかかる空から穏やかな光が差す広島市の平和記念公園。松井一実市長と遺族代表が白い手袋をはめ、新たな原爆死没者名簿2冊を慰霊碑にゆっくり納めた。この1年、亡くなったことが確認された被爆者5511人の名前が書かれている。
この夏、その総数は初めて30万人を超えた。
その一人ひとりの名を毛筆でつづってきた被爆者、池亀(いけがめ)和子さん(74)。この日、約40年ぶりに式典に参列し、納められる名簿を見つめた。「一人ひとりの人生に苦しみ、憎しみ、悲しみがあったのでしょう」
元広島市職員。1985年、初…