富山市議会政活費不正の構図
政務活動費約92万円の不正取得を認めていた富山市議会自民会派の谷口寿一(としかず)氏(53)が16日、議員辞職する意向を表明した。20日に辞職願を提出するという。既に辞意を表明している自民と民政クラブの計4人とともに21日の市議会本会議で許可される見通しで、これまでに不正を認めた全8人が辞職することになる。
谷口氏によると、会派前会長の中川勇氏(69)に渡された偽造領収書を使い、2013~14年に3回にわたり印刷代として政活費計約92万円を不正に取得。別会社に発注した議会活動報告の印刷代を除く約47万円を中川氏に渡したという。谷口氏の不正取得分約92万円は、中川氏が自身の不正分約695万円とともに、利息を含めて市に全額返還している。
不正による辞職が相次ぐ中、政活費約469万円を不正取得したとして村山栄一氏(66)が2番目となる辞職願を8日に出し、谷口氏はその頃には辞職を決めていたという。谷口氏は取材に「自分だけが残れるとは考えていなかった。市民、市議会にご迷惑をかけたことを改めておわびする」と話した。
同市議会では、政務活動費の不正取得問題で8月下旬以降、自民会派の中川氏、村山氏、岡本保氏(65)の3人が議員辞職。続いて浅名長在ェ門(ちょうざえもん)氏(65)が辞職願を提出し、藤井清則氏(54)も辞意を表明した。民政クラブ(民進系)でも高田一郎氏(69)と針山常喜氏(70)が既に辞職願を出している。(松原央)