九州電力が目指す玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の年度内再稼働について、九電の山元春義取締役は28日、佐賀県議会で「非常に厳しい」と述べ、実現は困難との見方を示した。国による今後の審査手続きを踏まえ、見通しの変更を迫られた形だ。
3、4号機は再稼働に向けた原子力規制委員会の審査が続いている。九電が規制委に提出した補正申請書を基に、規制委が新規制基準への適合を認める審査書案をとりまとめる予定だ。ただ、審査書案が一般の意見募集を経て決定した後も、さらに二つの認可と使用前検査が控える。
山元取締役はこの日、参考人として出席した原子力安全対策等特別委員会で、こうした手続きを挙げて「来年3月までに工程的に全部入れるのは現実的に非常に厳しい」と発言。「(年度内という)目標を持つのは大事だが、一歩一歩進めた結果としての再稼働」とも述べた。
再稼働の時期をめぐっては今年6月、九電の瓜生道明社長が「年度内には動かしたい」と発言。規制委は今月、「相当楽観的」との見方を示していた。