主な教科の全国平均との差
文部科学省は29日、小学6年生と中学3年生を対象にした4月の全国学力調査の結果を発表した。計8教科中7教科で、上位3県と下位3県の成績の差が前年度より縮まり、地域差が少なくなる状況が続いている。2007年度に調査を始めて10年目。文科省は「平均を下回る県の向上傾向が定着してきた」とみている。
調査は、熊本地震の直後だった熊本県全域と宮崎、大分両県の一部を除いて一斉に実施した。教科は小6と中3の国語と算数・数学。各教科とも主に知識を問うA問題と、応用力をみるB問題に分かれている。
文科省は各教科の上位3県と下位3県について、全国平均を100として計算した「標準化得点」(3県の平均値)を調べた。下位3県と全国平均の差を比べると、小6算数Bで前年度の1・3ポイントから0・8ポイントに縮まるなど、5教科で0・1~0・5ポイント上がった。
下位3県と上位3県との差も中3数学B(0・3ポイント拡大)を除いて軒並み縮まり、小6国語Bでは1・2ポイント縮小した。
調査開始の07年度と比べると、下位3県と全国平均の差は中3国語Bで3・2ポイントから1・3ポイントになるなど、8教科中7教科で平均に近づいた。3割の抽出調査だった10~12年度(11年度は東日本大震災のため実施せず)を除くと、おおむね各年度とも同じ傾向だ。
調査は、子どもの学力の傾向を…