台湾デーの試合前に開かれた映画「KANO」のトークショー=6月、兵庫県西宮市
スポーツで外国人観光客を呼び込もうという動きが広がっている。マラソン大会への出場やサイクリング、野球の観戦など対象は様々だ。「爆買い」が一時の勢いを失いつつあるなか、観光資源として注目されている。
昨年、出走者の1割超の3225人が外国人だった大阪マラソン。10月30日の今年も海外から4181人が参加予定だ。11月20日の神戸マラソンでも抽選前の段階で1千人以上が申し込むなど、外国人ランナーは目立つ。走りやすい季節の日本の大会は、アジアを中心に人気があるという。
風景を楽しみながら長距離を移動するサイクリングも、楽しむ人が増えている。特に瀬戸内海の周辺は人気エリアで、広島や愛媛で環境整備が進む。
広島空港は8~9月、国際線到着ロビーの一角に、飛行機で持ち込んだ自転車の組み立てスペースをつくった。松山空港は10月から到着ロビーの案内所で、自転車の空輸に使った段ボール箱を預かるサービスを始める。箱は持ち帰る際にも必要だが保管場所に困るため、利用者らから要望があったという。
10月30日には広島や愛媛で国際大会「サイクリングしまなみ」が約3500人規模で開かれる。松山空港には台湾からチャーター便が発着する予定だ。
日本のプロ野球も海外から注目されている。阪神甲子園球場は観光イベント「台湾デー」を6月に開いた。始球式には2014年に台湾でヒットした映画「KANO」の出演者が登場した。主演した永瀬正敏さんらが球場を沸かせた。
KANOは日本統治時代の台湾・嘉義農林学校(嘉農)の野球部が、全国中等学校優勝野球大会(全国高校野球選手権大会の前身)で準優勝するまでを描いた作品だ。
球場内の甲子園歴史館にはKANOの撮影に使われたユニホームなどを展示するコーナーがある。プロ野球のチケット販売サイトも中国語に対応させた。台湾から甲子園に観戦に来る人は年間1千~2千人程度だったが、15年には約1万4千人に急増した。
パ・リーグでも台湾からの観戦…