自衛隊とゴジラが対決する「シン・ゴジラ」の一場面(C)2016 TOHO CO.,LTD.)。映画は全国東宝系で上映中
リアルな戦闘シーンが話題になった映画「シン・ゴジラ」など、自衛隊が登場する映画の制作に、防衛省が協力を続けている。自衛隊の活動を国民に理解してもらうのが目的だ。シナリオに口を出すことはないというが、映画の中で描かれる自衛隊は、「模範的な姿」に近づいてきたとの指摘もある。
多摩川の河川敷を走り、ゴジラに砲撃を加える最新鋭の10式戦車、市街地上空を飛び、精密誘導弾で爆撃するF2戦闘機……。シン・ゴジラでは、自衛隊が実際に使っている装備を駆使し、ゴジラを攻撃する。
映画を見たある自衛隊幹部は、無線のやりとりなど細部の描写がリアルなあまり、ドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥ったという。「自衛隊の戦闘シーンが観客の拒否反応を引き起こさず、娯楽として受け入れられる時代になったんだなと感じた」と話す。
演出に欠かせないのが防衛省の協力だ。シン・ゴジラのパンフレットなどによると、同省は施設や装備の撮影許可のほか、対ゴジラ作戦で考えられる部隊編成や装備の配置などについて協力した。脚本の精度を上げるため、庵野秀明総監督が自ら同省に取材に行ったこともあったという。
防衛省広報課は協力理由を「国…