使用禁止になった滑り台=愛媛県今治市朝倉下
「日本一危険な滑り台」としてテレビなどで紹介された「朝倉緑のふるさと公園」(愛媛県今治市朝倉下)の滑り台(長さ約60メートル)について、公園を管理する今治市が使用禁止にした。猛スピードで滑る動画がインターネット上に広がり、危険性を指摘されたためだ。市は注意を促す立て看板を新設し、14日に使用を再開する予定で、「ルールを守って安全に楽しんでほしい」と呼びかけている。
市によると、滑り台は1991年の設置で、平均斜度は27度。遊具の安全確保をする「日本公園施設業協会」の安全基準を満たし、過去に事故は報告されていない。滑り台の乗降口には「雨上がりなど滑りやすい時はやめましょう」「ナイロンはよく滑るので注意」などと注意看板もあった。
先月下旬、「猛スピードで滑る様子を撮影した動画がネット上に紹介されている。危険ではないか」とするメールが市に届いた。市が確認すると、降雨時らしき時に滑った人が、勢いよく降り口を飛び出して約10メートル離れた歩道に達している動画がアップされていた。
テレビのバラエティー番組でも、滑りやすいタイツ素材を着て寝そべった男性が歩道近くまで飛び出す様子が放映され、「日本一危険な滑り台」と紹介されていた。その後、動画などを見て遠方からわざわざ滑りに来た人もいたという。
このため、市は9月23日、滑り台を滑る人と歩道を歩く人の衝突を防ぐため、いったん乗降口にテープを張って使用禁止とした。その上で、「寝そべって滑らないこと」などと注意を喚起する看板をさらに3カ所新設した。歩道と滑り台の降り口との間に生け垣を設置した上で、今月14日をめどに使用を再開することにしている。
市の担当者は「園内の散策者が巻き込まれるおそれがあり、使用禁止にした。再開後もルールを守ってほしい」と訴えている。(直井政夫)