政務活動費の情報公開請求者について議員に情報を漏らした職員の処分を発表し、謝罪する富山市議会事務局の幹部ら=11日、富山市
政務活動費(政活費)に対する情報公開の請求者情報を7市議会で事務局が議員に伝えていた実態が朝日新聞の調査で明らかになった。議会に対するチェック活動を萎縮させかねない行為だが、そこには議員側と議会事務局の「なれ合い」体質が浮かび上がる。
政活費の情報公開請求、7市議会が議員に伝達
「政務活動費に関して情報公開請求がきています」
9月1日、金沢市議会の各会派の代表者や議長らが集まった非公開の代表者会議。会議が一通り終わった後、議会事務局側が報道機関名をあげて、そう告げた。
15日にも昨年度分の政活費について公開請求があったことを記した文書を全市議に配布。請求者名は伏せたが写しの交付を予定していることも伝えた。富山市議会で政活費不正が次々と明らかになっていた時期で担当者は「適切に使うよう注意喚起するためだった」と述べた。
この情報が伝えられた後に政活費の支出を修正する市議が相次いだ。自民市議の一人は代表者会議後の5日、写真週刊誌の書籍購入費420円の支出を削除。20日に市政報告会への茶菓子代約8万円を削除した。
この市議は「情報公開請求などは関係ない。富山での問題があって調べたら不備があったので修正しただけ」と説明した。議会事務局によると、代表者会議で「書籍」に関する情報公開請求があったことを伝えていたという。