米軍のジェームズ・カートライト元海兵隊大将(67)が17日、情報漏洩(ろうえい)事件をめぐる捜査で虚偽の供述をしたとして、ワシントンの連邦裁判所で有罪を認めた。裁判所に提出された書面によると、ニューヨーク・タイムズの記者らへの情報提供をめぐって連邦捜査局(FBI)に「自分は情報源でない」などと虚偽を述べたという。
カートライト元大将は、米軍制服組ナンバー2の統合参謀本部副議長も務め、オバマ大統領の評価も高かった。同政権はかつてないほど、記者への情報提供をめぐって厳しい姿勢を取っており、今回も示された形となった。AP通信によると、量刑は最高で禁錮5年だが、米政府は0~6カ月の禁錮を求めているという。
今回の事件は、イランの核開発を止めるために、米国とイスラエルが仕掛けたとされるサイバー攻撃を報じたニューヨーク・タイムズの記事が発端となった。裁判所に提出された書面によると、カートライト元大将は退官後の12年1~6月、ニューヨーク・タイムズの記者に機密情報を許可なく提供し、同年11月にはFBIの聴取に対して情報提供を否定したという。ワシントン・ポストによると、極秘情報が多く関係する事件でもあり、情報漏洩そのものではなく、虚偽供述をめぐる訴追となった。
カートライト元大将は出廷後、米メディアに声明を発表し、12年にFBIに虚偽の供述をしたことを認め、「記者に話したのは、米国の国益を守ろうとしたためだ」と釈明した。(オーランド=中井大助)