環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案の国会審議をめぐり、与党は24日の衆院TPP特別委員会理事会で、参考人質疑のための委員会を25日に開くことを決めた。民進、共産両党が反発して委員会を退席する方針で、25日は与党と日本維新の会だけで審議される見通し。月内の衆院通過を目指してきた与党は、承認案の28日の委員会採決を辞さない構えだ。
与党はこの日の理事会で、25日午前に委員会を開き、「食の安全」をテーマとした参考人質疑を行うことを野党側に提案した。承認案の月内採決に反対している民進、共産が「28日に強行採決しない」との確約を求めたが、与党側は「担保できない」と拒否。委員会開催について与野党間の合意が得られず、与党側が委員長の職権で開催を決めた。
議長、議運委員長の仲裁で開催が決まった26日の地方公聴会について民進党は「迷惑をかけたくない」(同党国対幹部)として参加する見通しだが、与野党間の対立は深まっている。こうしたなか、与党幹部は「(野党に)ここまで時間稼ぎをされたら、どうにもならない。来週まで採決を延ばしてもまた時間稼ぎをされるだけだ」と述べ、28日採決の考えを示した。(田嶋慶彦)