厚生労働省は7日、今の制度では最長1年半となっている育児休業の期間を、最長2年に延長する方針を固めた。子どもの預け先が見つかる前に育休期間が終わってしまう保護者を救済し、女性の離職を防ぐのが主な狙い。育児・介護休業法の改正案を来年の通常国会に提出する方針だ。2018年春までの実施を目指す。
7日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の雇用均等分科会で、大筋で合意した。育児休業の期間は原則1年だが、保育所に入れない場合、今の制度でも特例として半年間延長できる。保育所への入所は年度初めの4月に集中するため、この時期に預け先が見つからないと、翌年の4月まで入所できないことが多い。子どもの誕生月によっては、育休期間を1年半に延ばしても、預け先が見つからないまま年度途中で育休期間が切れてしまい、離職に追い込まれるケースが少なくない。
そこで、1年半に延ばしても預け先が見つからなかった人を主な対象に、さらに半年延ばして最長2年まで取れるようにする。育休中の収入を雇用保険で補償する給付金も最長2年まで受給できるようにする方針。女性の復職が遅れるなどとして労使から反対論も出たが、都市部を中心に待機児童の解消が進まないなか、仕事と育児の両立の支援に必要な施策だと判断した。
育休の取得率が低迷する男性の育児参加を促す対策も進める。子どもの幼稚園の入園式や運動会、配偶者の出産の直後などに取得できる新たな休暇制度の制定を企業に促す。男性社員の配偶者の妊娠・出産を企業が的確に把握して、社員に育休取得を促すことも求める。ともに事業者の努力義務として同法に明記する方針だ。(河合達郎)