チェコで人気のビール「ピルスナー・ウルケル」(アサヒグループHD提供)
ビール大手のアサヒグループホールディングス(HD)は13日、ベルギーのビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ(AB)インベブから、東欧5カ国でのビール事業を買収することで合意したと発表した。買収額は73億ユーロ(約8883億円)。日本企業による酒類事業の買収では、2014年のサントリーHDによる米蒸留酒大手ビーム買収(買収額約1兆6500億円)に次ぐ規模となる。
ビール各社、海外進出で試行錯誤 アサヒHDは欧州強化
買収するのは、チェコ、スロバキア、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアの5カ国で事業を展開するビール製造会社5社と販売会社など3社の計8社。ピルスナービールの元祖とされるチェコのブランド「ピルスナー・ウルケル」などを含む。買収手続きは17年上半期に完了する見込み。
8社はいずれも、ABインベブが10月に買収した英ビール大手SABミラー傘下の企業。ABインベブは、SABミラーを丸ごと買収すると関係国の独占禁止法などに抵触する恐れがあるため、回避策として売却を進めていた。
アサヒは国内のビール市場の縮…