慰霊と復興のモニュメントに銘板を張り付ける石田栄子さんの遺族=17日午後、神戸市中央区、代表撮影
1995年の阪神・淡路大震災の犠牲者らの名を刻んだ「慰霊と復興のモニュメント」(神戸市中央区)に17日、新たに7人の名前が加わった。2000年に設置されたモニュメントの銘板は、これで計4995人分になった。
「なんだか、ほっとした」。京都市左京区の稲井けい子さん(76)は、震災で亡くなった叔母の石田栄子さん(当時74)の銘板を取り付け、両手でなでた。
兵庫県芦屋市で一人暮らしだった石田さんの自宅は全壊し、数日後にがれきの下から遺体で見つかった。幼い頃、手縫いのワンピースを贈ってくれた優しい叔母だった。稲井さんは「これからは神戸で会える。安らかに眠ってほしい」。
震災の2カ月後、3歳で亡くなった古賀歩未ちゃんの銘板も加わった。心臓が弱く、震災当日に神戸市の病院で手術を受ける予定だったが中止に。停電した病院は暖房が使えず、風邪をこじらせて亡くなった。「地震がなければ」との思いが今も消えないという母親(48)=兵庫県明石市=は「娘が生きた証しをどこかに残したい、とずっと思ってきた。思いがかなった」と話した。(筒井竜平、南有紀)