12位となった浅田真央=遠藤啓生撮影
(25日、フィギュア全日本選手権・女子フリー)
浅田真央、現役続行の意志 全日本、自己最低の12位
浅田の意思は揺らがなかった。「昨日は1回転になったので、何があっても回ろうと思った」。冒頭、トリプルアクセル(3回転半)ジャンプを跳び、転んだ。難しい3回転フリップ―3回転ループジャンプにも挑み、着氷した。
その後はともに得意とは言えない3回転ジャンプ。ルッツは着氷したが、サルコーで転倒。3連続ジャンプも単独の1回転フリップになった。「目指しているものができず、残念」と笑顔はなかった。
3回転半は両刃の剣だ。浅田にとっては挑戦するだけで力が湧く。だが冒頭で失敗すると意気消沈し、再加速に体力を消耗する。しかも、踏み切りで負荷がかかる左ひざは、練習を繰り返すと悲鳴を上げた。
練習を重ねることで自信を得てきた浅田の今の量は、全盛期の6割。「自分の体は自分が一番わかる。毎日試しながらジャンプを練習し、今はこのペースが一番」
今季の今後への明言は避けたが、来季も挑戦を続けるかを問われ、「そうですね。はい」と浅田。この日のジャンプ構成は、最高の演技をしたソチ五輪のフリーと同じ。「自分の最高レベルに挑戦できたことはうれしい。ここまで戻せて良かった」。前向きになる材料を見つけた。(後藤太輔)