知人の女性(66)から盗んだキャッシュカードで約200万円を不正に引き出したとして、県警は30日、いずれも16歳の少年3人を窃盗の疑いで逮捕し、発表した。3人は目をかけてくれた女性の気持ちにつけ込み、事件を起こしたとみられる。横浜市保土ケ谷区の解体工の少年は「覚えていない」と否認しているという。
少年捜査課によると、解体工の少年は2015年5月、同区の公園でゴミをゴミ箱に捨てる様子を見た女性から「いい子だね」と声をかけられた。これをきっかけに、ともに逮捕された同区の無職少年や川崎市幸区の土木作業員らと女性宅に出入りするようになった。
女性は次第に心を許し、台所で料理を作っているときなどは少年らから目を離していたという。そうした隙に少年らがキャッシュカードを盗み、世間話をするなかで暗証番号を聞き出した、と同課はみている。
同年10月、女性は口座から約12万円が引き出されていることに気づき、県警に相談。ATMの防犯カメラに映った解体工の少年について確認を求められたが、「このぐらいの金額なら」とかばい、知らないふりをしたという。
昨年5月になって女性がほかの4口座も調べたところ、現金が引き出されていることがわかり、カードもなくなっていた。県警の捜査の結果、15年10月~16年5月に45回にわたり、計約850万円が引き出されていたという。
解体工と無職、土木作業員の少年はそれぞれ、女性のカードを使って約12万円、90万円、100万円を引き出した疑いで逮捕された。県警は、残る約650万円についても少年らが関与した疑いがあるとみて捜査を進める方針だ。(前田朱莉亜)