ブルペンで投球練習をする阪神の藤浪=井手さゆり撮影
《阪神》初日の練習を終えた阪神の藤浪は「気持ちが入るというか、ピリッとする」と振り返った。基本的に取り組んでいることは、オフの自主トレ期間からの継続。だが野球人としてユニホームを着ると、やはり身が引き締まるのだろう。
春季キャンプ最初のブルペン。国際大会用の球を使って、一球一球を丁寧に投げ込んだ。セットポジションから力みなくミットに白球が吸い込まれたときは、捕手の梅野から「いい回転!」と声が飛んだ。カーブ、チェンジアップ、カットボールなど、変化球も一通り試し、計70球。藤浪は「全体的に指のかかり、球質はよかった」。
3月のWBCに初めて選出された。日本が優勝した第1回は小学生、第2回は中学生、前回は入団したての新人だった。「すごく自分の中で感動した。今度は自分が、そういうプレーを見せられるようにできたら」と思い入れも強い。
傾斜に慣れるため、先月からマウンドを使った調整を続けている。この日は細かな制球に課題を残したが、意識していた「投球フォームのバランス」は十分の出来。世界大会本番に向け、仕上がりの早さを感じさせる。=宜野座(井上翔太)