記者会見で説明する東芝の綱川智社長=14日午後6時37分、東京都港区、関田航撮影
東芝は14日、昨年4~12月期決算(米国会計基準)で米原子力事業を巡って7125億円の損失を計上し、純損益が4999億円の赤字(前年同期は4794億円の赤字)になるとの見通しを発表した。昨年12月末時点では債務超過に陥る。今年3月末の債務超過を回避するため、半導体事業を分社化する新会社の株式を売却する割合を、これまでの20%弱から過半に引き上げることを検討する。
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綱川智社長は14日の記者会見で、半導体分社化で「マジョリティー(株式の過半数)を維持することにこだわらない」と表明。損失の再発防止策として、米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の株式保有割合(87%)の引き下げにも言及した。半導体と原子力は、東芝が2本柱と位置づける主力事業だが、ともに牽引(けんいん)力を失いかねない状況に追い込まれている。
東芝は、一連の不正会計問題などによる業績悪化を受け、財務改善のために昨年、医療機器子会社や白物家電子会社を売却済み。綱川社長は水処理プラントや鉄道、エレベーターなどを手がける社会インフラ事業を「中心にやっていく」と述べたが、電機大手としての将来像は見えにくくなっている。
昨年12月末時点の自己資本は…