北朝鮮国連代表部のキム・インリョン次席大使は17日、ニューヨークの国連本部で会見し、原子力空母を朝鮮半島近海に派遣するなど圧力を強める米国を批判し、朝鮮半島で「核戦争がすぐに勃発するかもしれない危険な状態」になっていると訴えた。「どんな形態の戦闘にも応戦する」とも述べ、トランプ米政権を牽制(けんせい)した。
会見は月曜の朝になって急きょ設定された。キム氏は原子力空母カールビンソンの派遣は「米国の北朝鮮侵略という無謀な動きが深刻な局面に達したことを示している」と批判。米国が軍事行動に出るなら、北朝鮮は「米国が望むどんな形態の戦闘にも応戦する準備ができている」と述べた。
米韓の軍事演習については、核戦略兵器などを導入した「かつてない規模」になっただけでなく、北朝鮮の戦略拠点を狙う「精密照準爆撃」にも力点があると指摘。シリアのアサド政権の空軍施設を攻撃するなど「最近の米国は何のためらいもなく軍事攻撃し、主権国家を脅かす」とトランプ政権を非難した。
安全保障理事会が今月28日に開く、北朝鮮の核問題を巡る閣僚級会合については、米国の指示で動く安保理による主権侵害と訴え、「断固として拒絶する」と反発した。(ニューヨーク=金成隆一)