OKKO真珠が生産する楕円(だえん)形の真珠を使ったロボット型ペンダント
真珠の加工販売を手がける三重県の企業が、手頃な価格帯の商品開発に力を入れている。真珠は冠婚葬祭のイメージが強いこともあって、小売りの市場規模が縮小。新たな顧客の掘り起こしが欠かせないからだ。
OKKO(オッコ)真珠(伊勢市)は5年ほど前、紫色のアコヤ真珠シリーズを売り出した。5万~30万円ほどで、染めるのに1カ月かけることもある。鮮やかな色合いが50~70代の女性に好評で、ネックレスとイヤリングは半年待ちの商品もある。
ふぞろいの淡水真珠を使ったロボット型のペンダントも販売している。若年層向けでペンダントは1個3980円(税込み)。7月にネット販売を始める。中川智氏社長は「商品の選択肢を増やしたい。他社からは『まがい物』と言われることもあるが、お客様がいいねと思うことが一番ではないか」と話す。
パールファルコ(志摩市)は昨年、店頭でアコヤ真珠のアクセサリー手作り体験を本格化させた。客が好みの真珠を選び、ピアスやペンダントをつくる。旅行記念や恋人への贈り物として需要がある。値段は1万円弱。広報担当者は「手作りという言葉に魅力を感じて来店する人が増えている」。
経済産業省の調査によると、真珠宝飾品の小売市場規模は1423億円(2015年)で、02年から33・7%減った。宝飾品全体の下げ幅(25・2%減)より落ち込みが著しい。この調査の報告書は「真珠宝飾品はデザインの多様性が少ない。冠婚葬祭用に持っている消費者が多く、小売店はさらなる購入を勧めるのが難しい」としている。(細見るい)