持ち味の粘り強さで逆転勝ちした奈良
テニスの4大大会第2戦、全仏オープンは28日、パリのローランギャロスで第1日が行われ、女子シングルス1回戦では奈良くるみ(安藤証券)が主催者推薦枠の15歳、アマンダ・アニシモバ(米)に3―6、7―5、6―4で逆転勝ちした。男子シングルス1回戦ではダニエル太郎(エイブル)が2回戦進出を決めた後、初出場の杉田祐一(三菱電機)は第25シードのスティーブ・ジョンソン(米)との一戦で3―6、3―6とされてから、7―6、4―2と盛り返した時点で日没順延になった。
1セット目を失った奈良は第2セットも2―4と追い込まれた。初対決の相手は昨年の全仏ジュニア準優勝の15歳。事前に動画投稿サイトでプレーを確認した感想は「うまい」。プレーした印象は「15歳じゃない。サーブ、フォア、バックとも弱点がない」。
10歳年下に快く勝利を譲るわけにはいかない。厳しい西日と高い湿度。こうした劣悪な環境で忍耐の逆転劇を演じてきた経験則が、奈良の背中を押した。
このセットを逆転で奪い、最終セットも押し切った。4―1から並ばれた局面でも「自分のプレーが引いてしまったのではなく、相手のギアが上がったのが原因。もう一度相手を揺さぶろうと思った」と冷静さを保てた。4大大会本戦は17回目の出場で、1回戦突破率は82%と高い。(パリ=稲垣康介)