ソフトバンクの柳田悠岐
(6日、ソフトバンク2―1ヤクルト)
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「長いことやっているけど、初めて見ました」。ソフトバンクの工藤監督も驚く意外な形で、延長にもつれ込んだ一戦が決着した。
同点の十回2死三塁。打席に立ったのは柳田だ。代打・明石の四球から広げた絶好機。2ストライクから内角球を振り抜き、ボテボテのゴロが三塁線へ。ヤクルトの久古が手を出さずに見送ると、今季から新調されたヤフオクドームの人工芝で勢いが弱まった打球がラインを切れずフェアゾーンにゆっくり止まった。
過去3度のサヨナラ打はすべて柵越えだったが、4度目は推定飛距離約10メートルの内野安打。前の打席まで無安打だった柳田は「チャンスをつぶして回ってきてどうかなと思ったけど、めちゃくちゃださかった」と苦笑い。初めて経験する一打で、自身の連続安打記録も18試合に伸ばした。
新助っ人ジェンセンの来日初アーチも効いた。首の捻挫で登録抹消されている内川の代役として、この日1軍に初昇格。即先発で起用され、五回の同点弾で試合を振り出しに戻した。
不動の4番を欠いての戦いが続く中、打線が奮起してのサヨナラ劇。お立ち台に立った柳田は、自虐的に振り返った。「安打にABC(ランク)はないので、結果に大満足です。みなさんの応援でフェアゾーンに止まってくれた。明日はちゃんと打球を飛ばします」。息詰まる投手戦にけりをつけたのは、やはり「持っている男」だった。(甲斐弘史)
○工藤監督(ソ) 「投手戦で、なかなか点がとれない中で(ジェンセンの同点弾で)追いついて、チームの勢いも活気も出た。そこからいいチャンスも作ることができたんで、彼のおかげでチームも盛り上がったと思います」
○ジェンセン(ソ) 来日初アーチが同点弾に。「高めの甘い球を1球で仕留められた。勝てたことがうれしい」